なぜそうなるのか? 仕組み
9×8=72の例で考えてみましょう。
9×8=(10-1)×(10-2)
= 10×10+10×(-2)+(-1)×10+(-1)×(-2)
= 10×10+10×(-2)+(-1)×10+ 1×2
= 10×10-10×(2+1) + 2
= 10×{10-(2+1)} + 2
= 10×{10-(折った指の数の和)}+ (折った指の数の積)
= 10×{(折っていない指の数の和)}+ (折った指の数の積)
では、この考え方を文字を用いて式に書き換えてみましょう。
5以上9以下の数AとBについて、10に対する補数をそれぞれa(=10-A)とb(=10-B)とすれば、
A×B =(10-a)×(10-b)
= 10×10+10×(-b)+(-a)×10 +(-a)×(-b)
= 10×10+10×(-b)+(-a)×10 + a×b
= 10×10-10×(a+b) + a×b
= 10×{10-(a+b)} + a×b
= 10×{10-(折った指の数の和)}+ (折った指の数の積)
= 10×{(折っていない指の数の和)}+ (折った指の数の積)
以上の計算をふりかえってみると、次のような計算法則が用いられていることが分かります。
加法(たし算)について
交換法則 a+b=b+a
結合法則 (a+b)+c=a+(b+c)
乗法(かけ算)について
交換法則 a×b=b×a
結合法則 (a×b)×c=a×(b×c)
たし算とかけ算について
分配法則 a×(b+c)=a×b+a×c
(a+b)×c=a×c+b×c
符号(+とー)の計算