昨年、筆者の夢がかないました。数学絵本『親子で楽しむ! わくわく数の世界の大冒険』(日本図書センター)の刊行です。

 小学校1年生でもパパ・ママが読み聞かせをしてあげられるように、小学校3年生ならば1人でも読めるように、文章は努めて平易なものにしてあります。そしてその内容を盛り上げる、イラストレーターふわこういちろうさんの本文にマッチしたイラストが描かれています。

大人も引き込まれる「数学絵本」が大人気に

親子で楽しむ! わくわく数の世界の大冒険』(画像提供:筆者、以下同)

 勇気いっぱいの主人公プーラス、みんなの頼れるリーダー・ヒック船長、少しおっちょこちょいのカッケル(クマ)の3人が数の宝島を目指して冒険するという物語が展開していきます。

 毎週水曜日、毎日小学生新聞に連載中の『わくわく数の世界の大冒険』は連載当初から読者である父兄からの反響があり、満を持して書籍化されたのが本書です。果たして、2012年アマゾンBooks年間ランキング、図鑑(子ども向け)部門で第2位となりました。

 我が子のためにと購入してみたが、読んでいるうちに自分が面白くなっていく大人が日本中にたくさんいるということです。

 本書の特徴はその表紙に表れています。算数・数学の本にもかかわらず、算数・数学という教科名がなく、勉強・受験のためという余計な言葉も入れてありません。学ぶという言葉さえもありません。「親子で楽しむ! わくわく数の世界の大冒険」これがすべてです。まさにタイトルに偽りなしの本と自負しています。

 そして、本書には算数から数学までの内容が盛り込まれているため、小学生が読んでも高校生が読んでも、そして大人が読んでも興味が持てる内容となっています。

 そこで本連載は「親子で楽しむ! わくわく数の世界の大冒険」の大人版としてスタートさせようと思います。

 それが連載のタイトル、「数の世界の大冒険」です。

 絵本では1つの内容は見開き2ページに収まるよう編集されています。そこからそぎ落とした言葉をこの連載ですくい上げて紹介していきます。