経済成長で潤う北京にはこんな一角もある。都市部にも深刻な格差問題が存在する。(資料写真)

 中国におけるビジネス上のリスクについての2回目は、中国の経済問題を取り上げたい。

 2014年の中国の経済規模は、米国に次いで世界で2番目の経済規模を誇っている。しかしながら、中国の経済問題は広い範囲で大きな課題を抱えているのが実情である。

 今回は産業構造、格差の問題、三農問題、知的財産権問題を中心に俯瞰してみたい。

地方政府による過剰投資問題

 1978年12月の第11期三中全会で改革開放路線を採用して以降、中国政府は計画経済から市場指向型経済への改革を継続している。この経済体制は「中国的社会主義市場経済」と呼ばれており、中国の経済体制は資本主義と社会主義の混合経済であると言える。

 2001年のWTO加盟以降、中国経済は高い経済成長を遂げているが、その大きな原動力となったのが投資であった。中国においては総資本形成(設備投資・公共投資・住宅投資等)がGDPの約半分を占めており、世界の中でも突出している。