北京の日本大使館前で反日デモ、15日に続き

日本政府による尖閣諸島国有化を受け、北京の日本大使館そばで行われた反日デモ。(2012年9月16日撮影)。(c)AFP/GOH CHAI HIN〔AFPBB News

 日本企業にとって中国は非常に重要な国である。例えば、2014年10月時点の中国への進出企業数は3万2667社で、全世界(6万8573社)の約半分を占めている。在留邦人数も13万人を越え、米国についで2番目となっている(進出企業数・在留邦人数の出典は外務省)。

 また貿易相手国としては、2014年の日本から中国への輸出額は米国に次ぎ2番目である。中国から日本への輸入額は全輸入額の2割を超え、ダントツの1位となっている。

 このように、日本と中国との経済的な結びつきは強く、日本にとって中国は極めて重要な国であると言える。そこで今回から8回にわたり、中国におけるビジネス上のリスクについて見ていく。

 取り上げるのは、政治問題、経済問題、社会問題、労務問題、自然災害、治安問題(暴動・テロ等を含む)、コンプライアンス問題(PL・競争法違反等)、現地でのオペレーションに関わる問題(インフラ問題、火災・産業事故・労働災害、医療・感染症、交通事故など)についてである。第1回の今回は中国の政治問題を取り上げたい。

国境紛争と民族問題

 中国の政治における最大の特徴は、社会主義国家でありながら市場経済(中国型資本主義)を導入している点である。