蔡氏、対日FTAに意欲=台湾

台湾総統選で当選し、台北で手を振る最大野党・民進党の蔡英文主席(2016年1月16日撮影、資料写真)。(c)AFP/Sam Yeh〔AFPBB News

 1月16日投開票の台湾総統選挙において、民進党の蔡英文候補が689万票を集め、国民党の朱立倫候補に308万票の大差をつけて勝利した。同時に行われた立法院(国会に相当)選挙においても、総議席数113のところ民進党が68議席を取り、単独過半数を確保し、国民党はわずか35議席にとどまった。

 これによって、2008年から2期8年続いた馬英九の国民党政権から、蔡英文政権への交代が確定した。

 2000年から08年まで続いた民進党の陳水扁政権では、立法院では国民党が過半数を占めていたため、重要法案を通すのに散々苦労してきた。今回、初めて民進党優位の立法院が実現したことにより、蔡英文政権にはスムーズな政権運営が期待される。

 台湾における政権交代はこれで3度目になるが、民進党にとっては、立法院も押さえることができた今回の政権交代こそが「本当の政権交代」といえるだろう。

 蔡英文、そして民進党の勝利についてはすでにさまざまな分析がなされており、とくに目新しい分析を提供できるとも思えないので、ここでは中国が蔡英文政権下の台湾にどう対応するかを中心に論じてみたい。