中国・北京の毛沢東の肖像画(資料写真)

 中国の旧暦では、まだ2016年になっていない。春節(旧正月)を迎えてはじめて新年になるのだ。

 中国人にとって2016年はどのような年になるのだろうか。この設問に答える前に、まず自分にとっての2015年を振り返っておきたい。

 これまでの1年間、筆者が集中的に読んだ本は、経済学の本に加えて中国の近現代史の本である。なぜなら、筆者が中国で受けた教育では、本当の歴史がまるで空白のようになっているからだ。

 大学受験の勉強では歴史的事件の背景や意義ばかり暗記させられ、歴史上の事実の多くは教わっていない。歴史とは国、民族と文化の歩みであり、学者による意義づけよりも事実そのもののほうが重要だと考えている。

 2016年は中国にとって、毛沢東(1893~1976年)が文化大革命(1966~76年)を発動してから50年目の節目の年にあたる。同時に、文革が終わってから40年になる重要な年である。今年はすべての中国人にとって、文革を検証し反省する年となる。そして、その後の鄧小平による「改革・開放」政策(1978年~)の始まりを記念すべき大事な年だといえよう。