井本 観光旅行やビジネスで海外に赴く韓国人も多く、彼らは海外の実態をかなりわかっているはずですが。
古田 だから、韓国を脱出する韓国人も多い。移民は今に始まったことではなく、いつの時代も国民の1割は海外に出て行っている。今も米国に300万人、満州(中国東北部)に120万人、日本に70万~80万人いますね。「日本にもっと大量にやって来る恐れはないか」と不安がる日本人も少なくありません。
でも、大丈夫だと思います。日本人の「嫌韓」感情の高まりと韓国側の「反日」意識の強さが壁となって日本への流入を抑えています。
井本 嫌韓は最近の現象でしょう。
古田 李明博・前大統領の竹島上陸と天皇への侮辱的発言。これで日本人の嫌韓が決定的になりましたね。
井本 韓国を民主主義陣営にとどめるには、安倍首相の70年談話で「反省」のみならず「謝罪」を表明した方がいい、という声も強いですが。
絶対に謝罪してはいけない
古田 謝罪は絶対にしてはなりません。歴史を捏造し、韓国の古代専制国家への回帰を強めるだけです。中国や北朝鮮もここを先途と日本への批判を強め、3カ国の連携を強めるでしょう。欧米の対日イメージも悪化こそすれ、良くなることはありません。それに中韓は謝罪がなければないで「日本は反省していない」と批判する。謝罪しないに越したことはありません。
第2次大戦を日本と戦った米国は「正義は米国にある」と思いたいので、日本の謝罪を期待するでしょう。ドイツも過去のナチス批判をそらすため、日本を悪者にしたいでしょうね。
しかし、「反省」を表明するだけで十分。日米同盟の強化を考えている米国は、それ以上は望まないし、ドイツも強く言える立場ではない。安倍首相は先見性があるから、その辺をにらんで、お詫びはしないと思います。
井本 「仲良く、仲良く」というマスコミや野党、リベラル派の「お詫び」攻勢にはどうしたら、いいのでしょう。
古田 ネッターたちにガンバってもらいたい。彼らがネットに情報をアップする力はすごい。私が徴用工問題で楽観的なのはネットの力に期待しているから。慰安婦問題の時も戦前の慰安婦の募集ビラなどがネットに掲載され、高給で雇われた実態が知れ渡った。
均衡中立主義でカッコばかりつける偽善的なインテリよりも、彼らの方が情報を正確につかんでいるし、庶民の常識で判断している。
江戸の昔から日本にはインテリをからかい、茶化す庶民文化の伝統があった。ネッターはその伝統に則っている。リベラルの似非インテリは彼らを「反知性主義だ」と慨嘆したり、批判したりします。しかし、茶化すには相当の知性と教養が必要で、僕は「反知性主義、大いに結構だ」と思っています。