セマンテック技術でユーザーの要望に応える

米MSの検索サイトBing、WolframAlphaと提携

米マイクロソフトの検索エンジン「ビング」〔AFPBB News〕

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 グーグルがこうして利便性を高めようとしてるのは、同社の本業である検索サービスが米マイクロソフトの「ビング(Bing)」との激しい市場競争にさらされているからだと、米ウォールストリート・ジャーナルは報じている。

 グーグルが現在のサービスの基盤技術を開発したのは1990年代の半ば。当時はウェブページのリンクを表示するという、基本的なサービスを提供するだけだった。しかしここ数年は、より特定の用途に向けた機能を提供するようになっている。

 例えばグーグルは、「ツイッター」などのミニブログへの投稿を即時検索できる「リアルタイム検索」などを提供してる。

 また検索窓に「local time in New York(ニューヨークの現地時間)」や「weather in tokyo(東京の天気)」と入力すると、即座に結果をイラストとともに表示する。今回の新検索エンジンにも導入した検索語予測機能も別のサービスとして提供していた。

 こうした機能は、データに意味情報を付けてコンピューターが解釈できるようにする「セマンテック技術」で実現している。ユーザーが複雑な検索語を入力しても、それに対応し、より関連性のある検索結果を表示する。グーグルはこの7月、セマンテック技術を手がけるメタウェブという会社を買収しており、この分野の強化を図っている。当然、セマンテック技術はマイクロソフトも導入しており、検索サービスの技術競争は今後も激しくなりそうだとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 一方で、毎日10億の人が使うグーグルの検索サービスに変更が加えられることの影響は大きいと、英フィナンシャル・タイムズは報じている。新サービスによってウェブサイトや広告は、上位表示されるものがこれまで以上に目立つようになる。ユーザーの行動にも変化が表れ、クリック率や広告料金に変化が生じるのではないかと懸念が広がっているという。