事業者とサラリーマンの違い

 表現が難しいのだが、自分で事業を経営している方々と、たとえ社長であってもサラリーマンとでは、基本的に"人種"が異なるのではないか? と長年感じている。お互い言っている事が通じあわないことが多いのだ。

 大きな違いは50代中盤以降になってからの、今後の人生に対する意識である。一方は定年の意識など毛頭なく、あくせくと75歳前後まで忙しく働く。他方は55歳前後からの老け込みが著しく、62歳前後で完全なおじいちゃん(もしくは、おばあちゃん)になってしまうケースが多い。

 もう1つの大きな違いは、キャッシュに対する意識だ。特に事業を起こし経営している方々は、何らかの形でキャッシュに苦労されたことがあるのだろう。「1円を積み上げる」という鋭い感覚がある。

 大方のサラリーマンは、「価値を提供しキャッシュを産む」というビジネス貢献とは離れて、毎月25日の給与振込を得て、昇格・昇給を考えている方が多い。「今月はどのような価値貢献ができたのだろう?」と自ら内省する機会が乏しいように思える。

 人生はトレードオフなので、どちらか一方が良いと言っているのではなく、あたかも人種が違うと言っているのである。