経営力がまぶしい日本の市町村50選(37)
太陽と海、みどりの山々
宮崎県南部に位置し、日向灘に面する温暖で風光明媚な日南海岸などを抱える日南市。
推定人口5万4688人(2015年2月)。市内には飫肥(おび)城があり、江戸時代をほうふつさせる武家屋敷などの街並みは県内唯一の重要伝統建造物群保存地区に指定され、日向の小京都と称される。
市の面積の約78%を森林が覆い、特産の飫肥杉の林業をはじめ完熟きんかん、日向夏みかんなどの農林畜産業も盛んである。
また広島東洋カープや西武ライオンズなどのプロ野球チームのキャンプ地としても有名である。理由は日照時間の多さと温暖であること。
平野部では1年の日照時間が平均2200時間以上と、南海型気候区に属する高知県・紀伊半島南部などとともに日本で最も日照に恵まれた地域の1つである。特に冬季の日照時間は大変長く、冬型気圧配置で山沿いが曇っていても平野部は晴れている場合が多い。
そんな太陽と海、みどりの山々に囲まれた自然環境で飼育された地頭鶏(じとっこ)は「みやざき地頭鶏」として地域ブランドの代表格となった。
日南市じとっこ組合という店名を冠する飲食店も首都圏はじめ各地に展開されるなど日南市の認知度向上に一役買っている。
もともとは天然記念物「地頭鶏」を原種鶏として、宮崎県畜産試験場川南支場で交雑種の開発に取り組み、平成10(1998)年に交配様式を確立し、平成16(2004)年に「みやざき地頭鶏」と名称を定めた。
弾力ある肉質と健康や美容にもいい栄養素が豊富であることから、女性にも人気でその出荷羽数は日本三大地鶏の1つである名古屋コーチンを超えたようである。