条約は発効したものの、法的拘束力のある議定書にすべきとの流れの中で、1997年に京都で開催されたCOPの3回目の会議COP3で採択されたのが、京都議定書なのです。

京都議定書の歴史的な意義とは何か

 京都議定書は、2008年から2012年の期間中に、先進国全体でCO2を含む温室効果ガスの排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減することを目指し、参加国ごとに、それぞれ一定量の温室効果ガスの削減目標を設定しました。

 京都議定書の発効によって、一般の人々の地球温暖化問題への認識が高まったと同時に、削減目標達成のために、CO2の排出権取引や先進国と発展途上国間で温室効果ガスを削減するスキームであるCDM(Clean Development Mechanism、クリーン開発メカニズム)などの新しい制度が立ち上がりました。

 いよいよ国際社会が、地球温暖化問題解決に向けて具体的に動き出したのです。

 地球温暖化問題が大きな社会問題になり、国際社会が問題解決へ一歩踏み出した一方で、世界のエネルギー需要は増加の一途をたどっています(図8)。

1975年から世界のエネルギー消費は倍増した

 1975年の世界の1次エネルギー消費量は、原油換算で約57億トンでしたが、2008年には113億トンと約2倍に伸びました。

 特に、2000年以降の中国を中心とした非OECD諸国のエネルギー消費の伸びが大きく、2007年にはOECD諸国と非OECD諸国のエネルギー消費量がほぼ並びました。

 この非OECD諸国に引っ張られる世界のエネルギー消費の上昇トレンドは、今後も継続すると思われます。

 エクソンモービルも、2005年から2030年までの25年間に、エネルギー需要は年率1.5%のペースで増え続け、さらに35%上昇すると予測しています*8。 このエネルギー需要の増加を引き起こすのが、世界人口の増加です。

*8The Outlook for Energy: A view to 2030, エクソンモービル