欧州中央銀行(ECB)がついに量的緩和に踏み切った。日本のような長く果てしないデフレに陥るのを防ぐためだという。タイミングはやや遅かったとはいえ、市場は好意的に受け止めているようだ。
好調な米国経済にも忍び寄る原油安の悪影響
一方、アジアを見ても例えば好調な成長を続けてきたタイ経済もここに来て停滞感を強めている。
世界経済を牽引する米国経済も中身を見ればエネルギー産業の一本足打法。原油安の影響でFRBの利上げもまだ時期が定まらない。
イスラム国が日本人を拉致拘束し多額の身代金を要求してきたのには彼らの重要な資金源である原油の売り上げが目減りしているという背景もある。
2015年は先行き不透明な中で始まったわけだ。今回のランキングでも「不安」が見て取れる。
さて、世界的に経済が不調な原因の1つは、売れるモノやサービスが乏しくなり需要不足が顕在化している点が挙げられるだろう。
モノからサービスへと先進国だけでなく中国やロシアなどの新興国でも主役の交代が始まっているが、この「サービス」という市場の掘り起しが十分にできていないのではないだろうか。
ITなどを使えばサービスの効率化は図れるが、付加価値の高いサービスを実現することは難しい。きめ細かいサービスには現場の人間の知恵と工夫が欠かせないが、IT化はむしろこうした部分をないがしろにする危険性があった。
ITによる効率化は生かしつつ非常に付加価値の高いサービスを開発し発展させる――。
ここに企業が発展する宝の山があることは間違いなく、また日本のみならず世界経済を発展させるカギがある。では、ITと日本的な現場力を組み合わせた新しいサービスの開発にどのように取り組めばいいのか。
この点について日本で最も詳しい人材の1人がワクコンサルティング(神奈川県藤沢市)の松井拓己・サービスサイエンスチームリーダーである。松井さんは日々、サービスのイノベーションについて研究している。
お客の心をつかんで離さないサービスとは何か。どうすればいいのか。そうしたテーマについて松井さんから話を聞ける機会がある。大塚商会が主催する実践ソリューションフェア2015で2月6日、「得点型IT投資のススメ。やや満足じゃ顧客はリピーターになりません!」(無料)の講演がある。
ご興味のある方はぜひ足をお運びいただきたい。