日本の自衛隊は中国軍の何を警戒すべきなのか──。

 尖閣諸島をめぐる日本と中国の軍事衝突の危険がワシントンの軍事専門家たちの間で現実の可能性として語られるようになった。その衝突がどのような規模と形態となるのか。その予測は難しいが、中国側が強化を続ける軍事態勢のなかで日本側が特に警戒すべき5種類の兵器がこれら専門家によって指摘された。彼らは、尖閣をめぐる衝突の危険を踏まえながら、「中国軍の5種類の兵器」に注意せよ、と警告する。

 ワシントンでは中国人民解放軍の動向についての研究が活発である。米国の国家安全保障にとって、また国際情勢にとって、やはり中国の軍事面での動きが最大の懸念の対象だということだろう。共産党一党独裁の中国は、軍事動向をいつも秘密のベールで覆い隠している。それゆえ米側にとっては情報収集や戦略分析に力を入れざるを得ない。

 ワシントンでのそうした中国軍事研究でも、最近は中国と日本の軍事衝突の危険性を語る向きが増えてきた。言うまでもなく尖閣諸島をめぐる日中両国の対立のエスカレートの可能性である。

 日中両国の部隊がたとえ偶発にせよ、交戦状態となったらどうなるのか。当初はどんな形で戦闘が発生し、どんな形でそれが発展して、どんな結果を迎えるのか。米国の関係機関ではシミュレーション(模擬演習)に近い具体的な研究がなされている。

戦闘機、揚陸艦、ミサイル、給油機・・・

 そうした研究のなかで最近、特に関心が集まっているのは中国軍の新鋭兵器である。中国軍が万が一、日本の自衛隊と交戦する場合、どんな兵器がどんな威力を発揮するのか。この点は日本の同盟国である米国の軍部や政府にとっても他人事ではない。その研究の成果をまとめた論文が1月中旬に米国で発表された。