最近、韓国ではにわかに保育士による児童虐待が社会問題となっている。発端は、仁川の某保育所で園児が保育士に殴られ、それを知った保護者が保育士を告発したこと。

愛するがゆえの行動だった4歳児への虐待

早期退職、なけなしの年金に苦しむ韓国の労働者

年金の少ない韓国では定年後も働かないと食べていけない(ソウルで求人票を見る退職者)〔AFPBB News

 保護者が保育所の監視カメラで確かめた結果、4歳児の子供が保育士に殴られ、体ごと投げ出される映像が映っていた。

 数日間、この映像は繰り返しニュースに流れ、そこから世論は保育所においての児童虐待に関心を持ち始めた。

 殴った保育士は逮捕されたが「子供たちを愛するあまりの行動だった」などと、あまり反省してない様子だ。

 さらに、その後相次いで他の保育所でも児童虐待があると報道された。政治家たちも「セウォル号以降の最も衝撃的な事件」と重くとらえており、巷でも「セウォル号を思い出させる」と言う人が多い。

 どちらも韓国の次世代を担う子供たちの問題であるだけに、ショッキングな事件であることに間違いない。

 セウォル号の事故では、船の安全責任を担っているはずの船長が契約職であったためか自分の身の安全だけを守り、責任感のなさを露呈したように、今回の事件の保育士たちも児童に対する責任感が全く感じられない。

 なぜこのような児童虐待が起きたのか――。