(英エコノミスト誌 2015年1月17日号)

ロシア経済が回復するには長い時間がかかるだろう。ロシアは得られそうにない構造改革を切に必要としている。

プーチン氏が交際宣言?「愛し愛される人いる」

強気の姿勢を崩さないロシアのウラジーミル・プーチン大統領〔AFPBB News

 ロシアのメディアが経済ニュースを報じないことから判断すると、同国に危機が訪れた。

 ソ連時代と全く同じように、国営テレビは事実を報道せず、事実を隠す。政府が描く世界は、(米国が煽っている)ウクライナでの戦闘、(米国が無視している)ウクライナの経済崩壊、そして(米国が羨んでいる)スポーツやバレー、その他の分野でのロシアの功績に満ちている。

国営メディアは経済ニュースを報じないが・・・

 だが、テレビが経済に言及しない一方で、ロシアの一般市民はせっせとルーブルをドルに交換し、価格が上がっていないものを何でも買い漁り、不測の事態に備えた計画を立てている。

 ロシアが休暇中だった新年最初の2週間で、ルーブルはドルに対して17.5%下落した。インフレが高進し、物価上昇率は2ケタに達している。ロシアの主要輸出品である原油の価格は1バレル=50ドルを割り込み、エコノミストらは予想を下方修正している。

 今では、国内総生産(GDP)が今年、3~5%縮小すると見られている。ロシアの信用格付けは容赦なくジャンク級に向かっている。

 政府の「禅」のような落ち着きは、戦略の欠如を表している。テレビでは、ウラジーミル・プーチン大統領が地方の州知事らから前向きな報告を受けている様子が映し出されている。

 しかし、アントン・シルアノフ財務相によると、1バレル50ドルを割り込んだ原油安により、1バレル100ドルの想定に基づいて計算された政府予算に3兆ルーブル(450億ドル)、歳入計画の20%相当の穴が開くという。

 シルアノフ財務相はすでに予算を10%削減する計画を立てていたが、今ではそれより大幅に支出を削減する必要があるかもしれない。たとえ年金給付と給与が5%引き上げられたとしても、2ケタのインフレ率は、プーチン氏が2000年に実権を握って以来初めてロシアの実質所得が減少することを意味している。