今週の1位は「『あいつはすごい』と言われる社員が出世できない理由」だった。サラリーマンにとって一番の関心事である出世、しかも実力があるのに認められないという「よくある事実」に読者のみなさんが共感したのだろう。
実力があるのに認められないのはなぜか
不平不満の多くは、人のせいにすることから生まれやすい。「私が認められないのは上司に能力がないからだ」と。
しかし、不平不満では問題は解決しない。自分が優秀だとしてもどこかに問題はないのか、厳しく問い詰めることから解決策は生まれるものだ。
2位は原油価格の低下という石油輸入国にとっては「とてもありがたい現実」が世界金融危機の引き金になるという、ちょっと怖い記事だった。
原油価格の低下はロシア経済を苦境に追い込む一方、米国のシェールガス、オイルの生産に冷や水を浴びせるために一部の産油国が仕かけた"罠"という見方をする人がいる。
それは噂のレベルだろうが、実際にロシア経済は計り知れないダメージを受け、米国の石油関連企業にも深刻な影響を与え始めている。
この記事によると、今年発行されるジャンク債は過去最高だった昨年の3480億ドルを上回る予定だが、その好調な発行額を支えてきたのが米国のエネルギー関連企業だった。
しかし、原油価格の低下でそうしたジャンク債は取引が難しくなっており、一部のエネルギー関連企業は資金繰りが急速に悪化しているという。
金融はテコの原理を働かせて事業の拡大速度を上げてくれるが、それが空回りし始めると大きな爆弾を抱え込むことになる。
世界経済にとってエネルギー関連企業が発行したジャンク債がまさにその爆弾になりかけている。注意が必要である。
3位と4位は韓国社会に関するものが入った。大韓航空の"事件"を見ていると、韓国企業システムの非成熟ぶりがよく分かっておかしい。
それ以外ではエアバッグメーカーのタカタの問題を扱った「米弁護士に寄ってたかって食い物にされるタカタ」は、企業統治を改めて考えさせられる記事だった。隠蔽が支払うコストがいかに高いかを経営者は思い知らなければならない。