大韓航空会長、娘の「愚かな行動」を謝罪

大韓航空を傘下に置く韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長〔AFPBB News〕

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 2014年4月1日に韓国の公正取引委員会が発表した「大企業集団」の資産規模ランキングによると、韓進グループの資産規模は39兆5000億ウォン(1円=9ウォン)。

 トップのサムスングループの資産規模(331兆4000億ウォン)には遠く及ばないが、ポスコ(7位)、現代重工業(8位)、GS(9位)に次いでちょうど10位の財閥だ。

 趙亮鎬会長には3人の子供がいる。今回、事件を起こした趙顯娥(チョ・ヒョンア=1974年生)前副社長は長女。弟(1976年生)も大韓航空副社長、妹(1983年生)はグループ関連会社の専務だ。

 趙顯娥氏は、芸術系の高校で音楽を勉強した後、米コーネル大でホテル観光学を学んだ。この分野で世界トップとの評判の大学に進んだことから、父親も本人も事業を継承するつもりだったのだろう。

 3人の子供たちがそろって30代そこそこでグループ有力会社の役員に就任し、いろいろな意味で話題になった。

 さすがオーナー、やはりオーナーと言うべきなのか・・・。オーナーと言うが、実際、どのくらい株を持っているのか。

今なお高いオーナー家の持ち株比率

 大韓航空の筆頭株主は、「韓進カル(KAL)」だ。実は、韓進グループは、「韓進カル」という持ち株会社の下にグループ会社をぶら下げる支配構造の変更を進めているのだ。

 大韓航空についても、趙亮鎬会長などが保有していた株式を2014年10月までにこの持ち株会社に譲渡している。現在、「韓進カル」は大韓航空の株式の32.24%を保有する。この他に、オーナー家関係者などが少数株主として残っており、「持ち株会社+オーナー家特殊関係人」を合わせると47.89%の株式を保有している。

 では、韓進カルは誰が保有しているのか。趙亮鎬会長が15.49%、趙顯娥氏など3人の子供がそれぞれ2.48%ずつ株式を保有している。オーナー家とグループ会社を含めると31.69%を保有している。

 韓国の財閥の中では、グループ企業が急成長したためオーナー家の持ち株がどんどん低下し、支配構造上は「オーナー」と呼ぶのが難しくなっている例も多い。