果物を食べなくなった日本人

消費量は欧米の半分、美味しいだけでは売れない時代に

2014.09.05(Fri)佐藤 成美

 農林水産省などの調査によれば、果物を食べない理由には「他に食べる食品があるから」「日持ちがしないから」「皮をむくのに手間がかかるから」「価格が高いから」などが挙がっている。さらに、特に若者からは「べたべたするのがいや」「酸っぱいのが苦手」などの声があり、若い人ほど果実加工品を好む傾向が強い。

 近頃、若い世代に苦味や酸味の苦手な人が増えている。若者のビール離れやコーヒー離れを耳にするが、酸っぱい果物を避ける人やかんきつ系の果物が食べられない人もいるという。果物を食べなくなった要因には、食生活の変化に加え、味覚の変化も関わっているようだ。

国の指針は嗜好食品から必需品へ

 2000年に、文部省(現文部科学省)、厚生省(現厚生労働省)、農林水産省が示した食生活指針において、果物は野菜と同様に毎日の食生活にとって必需品であると位置づけられた。国の指針上、私たちの食生活における果物は「あってもなくてもいいもの」から「なくてはならないもの」へと立場が変わったのである。

 そこで、各種業界団体代表や有識者からなる「果物のある食生活推進全国協議会」は、果物を毎日の食生活に欠かせない品目として定着させるため、「毎日くだもの200グラム運動」を始めた。

 果物にはビタミンやポリフェノールなど生活習慣病の予防に効果のある成分が多く含まれている。同協議会は、日頃から果物を食べることは、生活習慣病の予防や健康な生活の維持につながるとして毎日果物を200グラム食べることを推進している。果物の200グラムとはみかんなら2個程度の量だ。

 同協議会はまた、子供や果物の消費の少ない世代に対して、果物への関心を高めるために、食育や料理教室などを行う活動をしている。また、農林水産省は、果物の機能成分の解明やその成果のピーアールに力を入れており、みかんに含まれるβクリプトキサンチンの生活習慣病予防効果やリンゴペクチンの血中コレステロール正常化効果などを強調している。

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