日曜日の明け方、左足の親指を戦車にでも踏まれたような痛みが突然襲ってきた。まだ起きるには少し早い時間帯だったが、飛び起きずにはいられなかった。いったい何が起きたんだ。
やる気のない医師に唖然
指を少し動かしてみる。次の瞬間、とんでもない痛みが足の先から脳天に向かって貫いた。寝ている間に足の骨を折ってしまったのか・・・。いや、そうだ、胸に手を当てなくても原因は察しがついた。
痛風発作だ。金曜日に痛飲して水分を十分に取らず、土曜日は暑い中の激しいテニスで体力を消耗させている。ついに来てしまったのか・・・。
風が吹いても痛いことから痛風と呼ばれるようだが、風がなくても心臓が鼓動を打つたび、左足が悲鳴を上げる。
日曜日なので病院は閉まっている。本心は救急車に来てもらいたかったが、こんなことで救急車を呼んでしまっては、命に係わる病気や事故の人がいたら申し訳ない。とにかく月曜日の朝まで約30時間、歯を食いしばって痛みに耐えた。
月曜日の朝、ネットで痛風を専門にしている開業医を調べ、オープンと同時に駆け込んだ。幸いすいていてすぐに診てもらうことができた。
「先生、どうも痛風発作を起こしたらしいんですけど」
「今までに発作を起こした経験は?」「いえ、ありません」
「尿酸値は日頃高いの?」「最近定期健診を受けていなので実は分からないんです。すみません」
「ではとりあえず血液検査をしよう。腕を出して」
この間2~3分くらいだっただろうか。
「それじゃぁ、痛み止め4日分と尿酸値を下げる薬30日分の処方箋を書いておくから近くの薬局で受け取って。それから、痛みが引くまでは尿酸値を下げる薬は飲まない方がいいかも。ときどき症状を悪化させる場合があるから。それじゃ、帰っていいよ」