もはや食卓の主役?
お手軽“時短”料理の勢いが止まらない

「働きながら料理もしたい」ニーズに対応

2014.08.01(Fri)白田 茜

 電子レンジとフライパンに対応した時短料理商品のバリエーションも広がっている。また、パック容量もファミリー向けだけでなく、1度で食べきることができる小容量のものが増えてきた。小容量の商品は、単身世帯と高齢者の増加というトレンドにマッチしているだけではなく、家庭の中で進行する“個食化”にも対応している。主婦の多くが、帰る時間がバラバラな家族に合わせて何度も料理を準備する中で、小容量の商品は、家族それぞれの食事の時間に合わせて素早く準備することができるので、主婦にとっては“時短”になる。

しのぎを削るセブン、イオン、ローソン

 総務省によると、15歳から64歳の女性の就業率は2013年4月に6割を超え、過去最高を記録した。「料理は女性がするもの」という固定観念が昔に比べて薄らいできたのは確かだが、このような女性の就業率の増加は食品業界にどのような変化をもたらしてきたのだろうか。

 働く女性が増えれば、時間に余裕がないので、買い物時間を短縮し、調理も手早くしたいというニーズが高まってくる。つまり、選ぶ時間を短縮でき、買ってきたらすぐ食べられる商品の需要が増す。そもそも買い物に行かずに、時間があるときにネットで買う人もいるだろう。

 そこで、小売が最近、力を入れるようになってきているのが、“温めるだけですぐに食べられる”時短料理商品というわけだ。実際、どのようなサービスが展開されているか見ていきたい。

 コンビニ店舗数1位のセブン-イレブン・ジャパン(以下、セブンイレブン)では、セブン&アイグループが開発したプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」を2007年5月に導入した。

 コンビニといえば、ナショナルブランドを定価で販売しているイメージが強いが、セブンイレブンはPBのパンや冷凍食品、主食になるおかずなどを低価格で提供して「意外に安い」印象を客に与えてきた。最近では、肉じゃが、魚の煮付けなどのパウチパックの惣菜の種類も増え、主婦や働く女性、遠くまで買物に出かけられない高齢者から支持を得ているという。

 2009年からは「近くて便利」というキャッチフレーズを掲げ、地域に密着した店づくりに取り組んでいる。時間がなくても、とりあえず近くのコンビニに行けば、日用品、加工食品、最近では生鮮食品や日配品などもあり、買い物は1カ所で事足りる。スーパーには時間があるときに計画的にまとめ買いに行くが、コンビニでは時間がないときに行く。買い物の“時短”がかなうわけだ。従来のターゲットは男性だったが、これまで日常の買い物をしてこなかった女性を取り込みつつある。

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