一方、今回の「パソコン移行難民」の悲鳴としてこんな声を聞く。

 「ログインって何なの。なぜ、こんなことをしなくちゃいけないの?」(XPではオート設定となっていた)

 「なんとかドライブって何? ここに保存するってどういうこと」(Skydrive等のリモートストレージ利用が初めての人)

 「PDFに保存するとか、PDFにプリントするって、意味が分からん・・・」

 よくよく聞けば、実はXPかどうかではなく、PC利用の一般的な理解、作法への知識が不足しているのである。人から説明されても、各種の概念が理解できないように見受けられる。つまり、これまでのやり方、「体が何となく覚えていた」やり方が変わることに全く追従できないということが、XP更新で浮き彫りになったのである。

スマホのコンタクトセンターにつながらない

 実はスマートフォンでも似たような話がある。スマホが本格的に普及し始めた2年前から、携帯電話事業者のコンタクトセンターに電話がつながりにくくなったと感じていらっしゃる方は多いと思う。

 正式な統計データが開示されたわけではないが、実はスマホを購入した人の多くが、特にパソコンとの各種連携の設定(加えて各種パスワード設定を忘れたこと)に苦戦して、携帯電話事業者に一斉に電話をかけて問い合わせている。加えてパソコン、ITリテラシーが低いため、説明をしてもらっても要領を得ずサポートの時間が長引いていく。

 「スマホ問い合せの平均応答時間は、ガラケーの3倍、いや5倍に達する」という声がささやかれている。その結果、コンタクトセンターへの電話はあふれて、ますますつながりにくくなっているのが実状だ。

 似た話は、携帯音楽プレイヤーにもある。日本では、iPhone/iPodなどに楽曲をパソコン経由でダウンロード、登録することができない人の割合が海外よりも高いという。これも正式な各国調査は開示されていないが、日本において、楽曲のiPhoneへのパソコン経由ダウンロードが「自分ではできない」人の比率は、北米と比較すると3倍超、周辺の東南アジア等と比較しても非常に高い水準にあると言われている。