「一緒に食べる」というダイエット法

味の社会学(第8回)

2014.04.22(Tue)菅 慎太郎

 太るのはあっという間なのに、痩せるのは時間を要するのが、ダイエットの難しいところだ。絶食すれば摂取カロリーは確かに減るが、筋肉や骨まで減少してしまっては元も子もない。また過剰な食事制限はリバウンドの危険性をはらんでいる。

 適切なダイエットを考えると、1日1800キロカロリーのうち、せいぜい200キロカロリー(つまり、お茶碗1杯のごはん)を我慢する程度が、健康を維持しながら痩せられる「食事制限のプラン」である。

 そうすると、7000キロカロリーを減らすまでにかかる日数は35日。つまり、1キログラムの脂肪を落としたければ、1カ月のペースが限界である。3キログラムのダイエットには3カ月、10キログラム痩せたければ10カ月といった長期プランを立てなければ、実現の可能性が低いばかりか、抑制のフラストレーションでリバウンドの危険性が高くなる。

第三者の目が「ドカ食い」「やけ食い」を防ぐ

 1人で好きなモノを食べる。それこそがストレスの解消だという人もいるだろう。

 しかし、1人で食べるのはダイエットには適さない。誰も制限してくれる人がいないからだ。自己に厳しければそもそも肥満になど至っていない。1人でいるからこそ「肥満の可能性」を広げることになる。

 前述したように、「痩せる」ためには1日200キロカロリーをストレスなく継続的に減らすことが必要となる。そのために簡単な方法が1つある。それは誰かと「一緒に食べる」ということだ。昼食や夕食のとき、友人たちと一緒にいる場で「ドカ食い」や「やけ食い」はしないだろう。家族ではない第三者の目があると、「ちょっと控えめに」という自制心が働く。

 単身世帯の独身が増え、「個食」が広がっている。それは「肥満」を増幅させる一因にもなっている。婚活や街コンなどに精を出すのもいいが、周りの友人や知人を食事に誘ってみてはどうだろう。ダイエットと出会いを兼ね備えた「会食」の価値をぜひ見直してほしい。

 ただし、これは「新たな出会い」や「背景の違う人」と食事をするときに有効なのであって、愚痴を言い合う仲間で集まることは、逆のベクトルを作用させることになるので、その点は要注意である。

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