今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(1月26日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、「みんなの党」と「結いの党」の関係や、安倍首相が施政方針演説で述べた「責任野党」について取り上げたほか、冷凍食品の農薬混入事件、NHK新会長の籾井(勝人)氏の就任会見発言をめぐる問題などについて語った。
渡辺・みんなの党代表、江田・結いの党代表、柿沢議員の不思議な関係
中山 安倍(晋三)首相は訪問先のインドで記者団に対し、24日にみんなの党の渡辺(喜美)代表と電話し、通常国会で政策協議を進めることで一致したことを明らかにしたそうです。
渡辺氏といえば、先日みんなの党を離党した江田(憲司)衆議院議員らと、新党「結いの党」の設立をめぐり、ぎくしゃくした関係にあるとメディア等で伝えられていました。
結局、みんなの党が結いの党に移った比例代表選出議員の会派離脱を認めたため、結いの党の衆院会派が江田代表ら9人で23日に発足しています。これまで渡辺氏の江田氏に対する振る舞いには批判もありましたが、両氏を知る私から見ればどちらにも悪意はなく、特に渡辺氏は自分の筋を通したのだと思います。
そもそも、みんなの党は2009年1月に自民党を離党した渡辺氏が真の改革を訴え、それに賛同した数名の議員らによって結党されました。同党の元メンバーの一人に、かつて都議会議員だった柿沢(未途)衆議院議員がいるんですが、柿沢氏は2008年に酒気帯び運転による自損事故を起こし、一度都議会議員を辞職しています。
その柿沢氏がみんなの党に入る時、江田氏は反対したそうですが、柿沢氏の父である柿澤(弘治)氏と縁のあった渡辺氏が弁護に回り、入党に至ったといいます。その柿沢氏が、結果的に江田氏と一緒にみんなの党を飛び出したわけですが、渡辺氏の気持ちになってみれば「なぜ裏切るのか」と思っても不思議ではありません。
しかし、政党を変えた彼ら側にとっては今後の政局を見据えた判断だったはずであり、どんな結果であるにせよ、結いの党とみんなの党が新しいスタートを切ったのです。どちらかが損や得をしたということではなく、国民にどんな結果を残してくれるかが大事です。
24日に通常国会が召集され、安倍首相は施政方針演説で「政策の実現を目指す『責任野党』とは、柔軟かつ真摯に政策協議を行う」と発言しました。それに対して渡辺氏は「責任野党のメッセージを歓迎する。我々と同じ方向の政策には協力を惜しまない」と強調しています。
今までのように“反対のための反対をする”野党から、責任ある野党として与党と力を合わせて法整備や税制、財政問題に取り組むべきではないでしょうか。