もうすぐ60歳の義母が喜んでいた。
「人生でオリンピックを2回も見れるなんて」
まだ小学生だった義母は釜本選手が活躍するサッカーを見に行った。人気が無くて席を埋めるために小学校全体で行ったらしい。そのとき義母は初めてサッカーを知った。
1960年に開かれた東京五輪について、親や祖父母に聞き書きしたり、当時の画像や動画をウェブに共有、アーカイブしておく。そんな活動は面白そうだ。誰かやりませんか?
それはいいとして、2020年の東京五輪の会場では、誰もがスマホ写真家になり、競技結果をソーシャルメディアにアップするだろう。もしかしたら、グーグルグラスを掛け、選手の上に表示されるデータを見ながら、サッカーを見たりするかもしれない。
スクリーンは映像中継だけでなく、リアルに会場に行ったときに、データを付加するためにも使われるだろう。
そんな新たなエンターテイメントの姿を想像するのは楽しいけれど、その前の基礎知識として、とりあえずロンドン五輪で普通のメディアがどのように利用されたのかをメモしておこう。
2012年12月に、イギリスのOfcom(Office of Communications、英国情報通信庁)がロンドン五輪のメディア消費行動についてレポートを出しているので、そこから参考になるデータをまとめてみる。
テレビでオリンピックを見た人が国民の78%
このレポートで、いちばん面白かったのは4歳以上のイギリス国民の78%が少なくとも15分以上連続でオリンピックのテレビ中継を見たという事実である。
その数、オリンピックは5100万人、パラリンピックは3100万人以上。イギリスにおけるオリンピックの視聴者は北京大会よりも1000万人以上増えている。ちなみに、イギリスの人口は6370万人。ブロードバンド普及率は78%、約40%がスマートフォンを利用する。
そして、開会式と閉会式中継は、それぞれ2700万人以上の視聴者を集め、イギリス史上もっとも視聴されたテレビ番組となった。