マット安川 衆参ねじれ国会の解消を遂げた自民党から衆議院議員の平沢勝栄さんを迎え、選挙後の情勢をお聞きしました。また、TPP、消費税、外交などについて、分かりやすく解説していただきました。

消費税増税は不可避。ただし法人税減税や低所得者層への対応をしっかりと

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:平沢勝栄/前田せいめい撮影平沢 勝栄(ひらさわ・かつえい)氏
衆議院議員(自由民主党副幹事長、衆議院内閣委員会理事) テレビ・ラジオにも多数出演。葛飾区柴又在住。『もう黙っていられない!』(徳間書店刊)『政治家は楽な商売じゃない』(集英社刊)『拉致問題』(PHP研究所刊)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

平沢 景気回復については、いまのところ一部の企業は別にして、末端までは行き渡っておらず、いずれ行き渡るとしても若干時間がかかるでしょう。ただ、まだ景気が十分に回復しない中で、私は消費税は上がると思いますので、そうなった場合に、果たしてどうなるのか。

 物価は上がりつつある一方、賃金は上がらない、そして非正規雇用はどんどん増えている中で、国民のみなさんは耐えられるかどうか。ですから、消費税増税はよほど慎重にやらなければなりません。

 低所得者への対応をどうするか。食料品などは据え置くなどするのか、または手当を出すことで消費税分をカバーするのか。さらに企業の法人税の減税や、設備投資の税控除など企業活動を活発化する方策も取っていく必要があると思います。

 私たちには財政再建という大きな目標があり、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字を2015年までに半減させて、2020年には黒字にするという目標を掲げています。そのためには消費税を上げないという選択肢はないと思います。

 増税の前に、ムダを省くことが先ではないかとよく言われます。社会保険料の徴収の漏れなどがあり、だから国税などと一緒にして歳入庁をつくれという意見もある。ただ、消費税増税とムダの削減は両方並行してやることであって、どちらかを先にすると、片方が遅れてしまいます。

 内閣の中には、消費税率を毎年1%ずつ上げたらどうかとか、延期すべきだという意見もありますが、私は上げなければならないと思います。

TPPはトータルで見てプラスのほうが大きい

 TPP(環太平洋経済連携協定)についてはいろいろな意見があります。特に医療関係者、農業関係者の中に強い反対がある。一方で、医療関係者や農業関係者の中にもTPPを推進してほしいという意見があります。医療や農業はさまざまな問題を抱えているからです。

 意見はバラバラですが、ひと言でいえば、これだけ多くの国が入って議論している中で、日本が入らずに日本経済はやっていけるのかどうかということです。