コンビニエンスストアなどの棚には、数々のビタミン剤やサプリメントが並べられている。健康や美容のために飲んでいる人も多いことだろう。

 サプリメントのラベルを見ると、「ビタミンC」や「ビタミンB12」のように一目でビタミンと分かる商品がある。その一方で、「パントテン酸」や「カルニチン」などのあまりなじみのない表示もビタミン関連商品として見かける。これらの物質はいったいなんだろうか。

 商品を選ぶときは、書かれてある健康や美容の効果につい目が行きがちだ。だが、分類による知識も商品選びに役立つことだろう。そこで、「ビタミンとはなにか」を改めて整理してみたい。

まぎらわしいビタミンの名称

 ビタミンは、糖質や脂質、タンパク質などとは違い、エネルギーや体をつくる成分ではない。しかし、それらの栄養素の働きを助け、体の調子を整える、いわば潤滑油のような役割の重要な栄養素だ(表1)。必要量は微量ながら、人の体内では合成されないか、合成できても必要十分でないため、食物から摂取しなければならない有機化合物と定義することができる。

表1 ビタミンの種類
人が必要とするビタミンは全部で13種類。水に溶けやすい水溶性ビタミンと溶けにくい脂溶性ビタミンに大別される。
参考:『新しい栄養学と食のきほん辞典』(西東社)をもとに筆者作成

 ビタミンが欠乏したり、不足したりすると、歯肉から出血する壊血病、足にむくみやしびれが出る脚気、脊椎などが曲がるくる病などのビタミン欠乏症が起きる。