土葬や火葬の問題点がすべて解決
欧州では土葬が主流だが、最大の問題点は広大な土地の確保が必要だということだ。霊園の拡張のために自然破壊という、笑えない話も現実にある。
土葬は土を深く掘って棺を埋めるのだが、土の深部にはバクテリアや空気が十分含まれていないため、遺体が完全に分解するまでに長い時間がかかる。それまでの間に腐敗物が地下水に溶け出して川や海の水が富栄養化したり、水源の川や湖を汚染する心配もある。
火葬の場合は燃料が必要だし、焼却によって煙や水銀も発生する。スウェーデン政府は、国内の水銀放出量の3分の1が火葬によって発生していると見ている。
こうして比べてみると、フリーズドライ埋葬は自然への影響がより少ない、究極のエコと言ってもいいだろう。
韓国では100施設の建設を希望

(画像提供SUPERFLEX)
プロメッサ社のエコロジカルな埋葬方法は特許を取得済み。欧州の国々をはじめ、米国、カナダ、南アフリカ、韓国など計60カ国がこの技術に関心を示しており、そのうち11カ国からは具体的な提携希望も寄せられている。
韓国では、プロメッサ社の技術を活用したエコ埋葬施設を100カ所まで拡大する計画だ。プロメッサ社は世界各地で開催のセミナーや会議に招かれ、講演を続けている。
最近では、デンマークの芸術家集団スーパーフレックスが、2009年12月7~18日に開催された国連気候変動コペンハーゲン会議に向けて、プロメッサ社のサービスを利用する契約「エコロジカル埋葬契約書」を発行し、注目を集めた。契約書にサインした人が会議期間中に亡くなった場合には、プロメッサの技術を使って遺体をフリーズドライにするというもので、環境に対する感度の高い会議出席者の関心を集めた。