ここ10年ほどか、米国で手作りグッズが息を吹き返してきた。特に編み物はちょっとしたブームになっており、週末ともなればカフェに集って編み物とおしゃべりに興じるグループをよく見かける。
中国で作られた大量生産品には飽き飽き
大手デパートやスーパーのフランチャイズ化が進み、どこの州のどこの町へ行っても、同じ店で同じ商品が買えるようになった。そのほとんどが中国を筆頭とする外国製の大量生産品だ。
それに反するように、特に若い女性の間で、オリジナル度の高いものへのニーズが高まっているようだ。
そんな「よそでは買えないもの」が欲しい女性たち御用達のサイトとして大人気なのが、ニューヨークに本拠を置くエッツィー(Esty)。
150カ国以上の売り手と買い手が集う、ハンドメイドグッズコミュニティ/eコマースサイトだ。
2010年11月現在、登録会員数は620万人。そのうち40万人以上の売り手が、650万点の商品を掲載している。
月間ページビュー数は7億8900万。2010年1~9月末のサイト全体の販売高は2億600万ドル(170億円)。
2005年初年度は16万6000ドル(1371万円)だったというから、破竹の勢いの成長と言えるだろう。
米国では観光地に行くと、必ずと言っていいほど地元のアーティザンによるハンドメイドグッズを売る個人商店がある。しかし、彼らの暮らしは楽ではない。
商品を手作りして、夏は観光地、クリスマス前には各地のコミュニティセンターなどで開かれるクラフトショーを回る。
店に委託販売する場合は、売上の50%をコミッションとして渡すのが相場だ。売れなかった場合は、先行投資した材料費すら回収できない。