49%が中国産原料でも「北海道産」の怪

食品表示はどう変わる?(後篇)

2012.07.13(Fri)白田 茜

 ある産地から一定量の果汁を入荷できず、他の産地の果汁を使用することになった場合、産地表示を切り替える必要が出てくる。その都度切り替えなければならないためコストアップの原因にもなる。一方で、このようなリスクを下げるために産地を絞れば、果汁の供給量が不安定になる。結果として、ジュースが高値になる可能性が出てくる。

 しかし、産地側からは逆に「原料原産地表示の義務化を」という意見も出てきている。

 2010年3月に消費者庁で実施された「原料原産地表示に関する意見交換会」で、JA長野中央会地域農政部は「りんごの加工用果汁は、農業者の苦労が製品価格に反映されずに苦しんでいる。安い輸入品に原料原産地の表示義務を課さないことは、消費者の知る権利・選ぶ権利を侵すだけではなく、農業者の取り組みを無駄にする」と発言している。

 原産地表示については、産地側と事業者側の意見が折り合っていない模様だ。

全食品に原料原産地表示の義務づけなるか?

 原料原産地表示の拡大は、政府の既定路線だ。しかし、検討会では、原料原産地表示制度そのものに対する疑問や、表示の拡大に反対する意見が多数あった。この乖離をどう埋めていくのだろうか。

 今のところ、うなぎの蒲焼きのような「原産地が日本と誤認されやすい」加工食品には表示を義務づける方針だ。具体的には、生鮮食品に簡単な加工をしただけで加工食品と原料が同一と勘違いしやすいケースなどが挙げられている。ただし、「誤認されやすい」と指定する際の指標については意見がまとまっていない。

 また、「特定の加工地を強調表示している場合」も表示を義務づけるという案が出ている。例えば、現状ではA国産のりんごを使用しB県で加工した 「りんごチップス」には「B県加工」と表示されているが、原材料のりんごを重視して「A国産」と表示するという案だ。ただし、加工地を記さなければ原産地の表示義務を免れるため、検討会では「公平感に欠く」という意見も出ている。

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