49%が中国産原料でも「北海道産」の怪

食品表示はどう変わる?(後篇)

2012.07.13(Fri)白田 茜

 EUでは、すべての食品に遺伝子組み換え作物の表示義務がある。日本で義務づけられていない遺伝子組み換え作物を使用した醤油やなたね油などについても表示義務がある。

 EUでは、食品の流通経路を遡ることができるトレーサビリティが食品全般に義務づけられている。遺伝子組み換え作物から作られる食品や飼料を販売する事業者は、販売先に「遺伝子組み換え作物から作られている」ことを書面で知らせなければならない。「意図せぬ混入」についても厳格だ。混入が0.9%以上だと表示しなければならない。

 日本は、EUに比べて遺伝子組み換え食品の表示が十分でないという意見もある。しかし、米国は「流通している遺伝子組み換え食品は安全と認められたもので表示は不要」との立場を崩しておらず、今後TPP交渉で日本の規制が緩和されるのではと危ぶむ声もある。

 各国の意見が鋭く対立する中、日本は対象品目を広げるのか、表示を厳格化するのか。今回の検討会では俎上に載らなかったが、今後、日本にでも遺伝子組み換え表示を整理する必要が出てくるだろう。

抜本的見直しと言えず課題が残る

 検討会では、原料原産地表示の拡大を前提として、対象品目を選定する基準について議論しているが、依然として意見がまとまらない模様だ。また、本稿では詳しく述べなかったが「栄養成分」についても原則義務化する方針だという。

 検討会では、そもそも具体的にどう食品表示を「一元化」するのか、用語の統一など本質的な部分までは踏み込めていないのが実状と言える。

 また、アレルギーのような「安全性」に関わる表示をどう改めるのかについても、外食や中食での表示に少し触れるのみにとどまっている。食品表示を抜本的に見直すというよりも、現在の表示制度を前提として枝葉をつけたような印象だ。

 アレルギーなど「安全性」に関する表示、原料原産地など消費者の「価値観」に関わる表示が混在している食品表示。優先順位をつけて整理していくことが必要だろう。消費者にとって分かりやすい表示への模索はこれからも続く。

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