なにを季節外れなことを・・・と思われるかもしれませんが、いよいよヌーボーの季節がやって来ます。

 ワインの世界でヌーボーとは「新酒」を意味します。その年に収穫されたブドウで作られた出来立てのワインのことです。

 毎年11月の第3木曜日に解禁になるフランス・ボジョレー地方の新酒、つまりボジョレーヌーボーが有名です。でも、ヌーボーはそれだけではありません。これから旬を迎えるヌーボーが日本でも流行りそうな気配です。

 それは、今年すでに収穫されたブドウで作られたワインです。ブドウは晩夏から初秋に収穫されます。収穫を今年すでに終えているのは、そう南半球の国々です。

 チリ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチン。2010年にはチリ地震の支援を謳って、チリのヌーボーが積極的に販売されました。最近は、南アフリカとニュージーランドがよく売り出されています。

動き出した南半球のヌーボー戦略

 人間は、制約があったり禁止されているとなぜか手に入れたくなる気持ちになるものです。

 ボジョレーヌーボーには解禁日がありますが、南半球のヌーボーは様々な国から発売されていたため、特定の解禁日がありませんでした。ところが、今年は解禁日を設定した企業が登場したのです。現在はネットや店頭で先行予約販売を受け付けています。

 7月1日に解禁される南半球のヌーボーは、ボジョレーヌーボーの戦略手法を踏襲しています。「世界共通の解禁日を設ける」「ラベルのデザインを華やかにしてイベント感を出す」「ヌーボーであることを全面的にアピールする」──。これらを「作り手」たちが自ら発信しているのです。