ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブックは、スマートフォンなどモバイル端末向けサービスの使い勝手を向上させようと試行錯誤を重ねているようだ。同社は14日、モバイル版のデザインを刷新すると発表した。
写真をインスタグラムのように表示
「ニュースフィード」と呼ばれる新着情報欄に掲載される利用者の投稿写真を、従来の3倍に拡大して表示するというもので、同社が買収を計画している写真共有アプリ、米インスタグラム(Instagram)のようなデザインを採用している。
具体的には、これまでのように画面の中央に小さな写真がサムネイルのように表示されるのではなく、画面の両端いっぱいに拡大する。写真が複数ある場合はタイル状に並べ、同じく画面の横幅全体を使って表示する。
これにより、従来のようにタップしなくても写真の内容を確認できる。デザインもインスタグラムのように洗練されたものになり、利用者の満足度が高まると同社は考えている。
新デザインを適用するのは、米アップルのアイフォーン(iPhone)やアイパッド(iPad)向けアプリ、米グーグルのアンドロイド(Android)向けアプリのほか、携帯電話向けのウェブサイト「m.facebook.com」となる。
同社は5日にも携帯電話向けアプリでインスタグラムのような写真加工フィルター機能を提供すると発表するなど、モバイル版サービスの拡充を急いでいる。
モバイルの滞在時間、パソコンを上回る
同社がこうしてモバイル分野に力を入れるのは、ここ最近の利用動向に変化が生じているからだ。米国の市場調査会社コムスコアが先頃明らかにした最新の調査によると、今年3月におけるフェイスブック利用者の1カ月当たり平均滞在時間は、パソコン経由が391分。
これに対しモバイル端末経由が441分となり、モバイルがパソコンを上回った。今後もこの傾向が続くと見られ、SNSはモバイルを中心に発展していくと予想されている。