かねての観測通り、米アップルは7日、米サンフランシスコで開催したイベントでタブレット端末「アイパッド(iPad)」の新モデルを発表した。
外見は同じだが中身は全く違う
新モデルはディスプレイの解像度を従来に比べて4倍に高め、カメラはフルHDの動画撮影にも対応している。CPUはクアッドコアのグラフィックスを搭載した独自開発の「A5X」を搭載し、描画性能を2倍に高めた。
またLTE方式の高速通信サービスに対応しており、米国では米AT&Tと米ベライゾン・ワイヤレスがサービスを提供する。価格は499ドルからとこれまでと同じだ。
ちょうど同社のスマートフォン「アイフォーン(iPhone)4」が現行モデルの「4S」へと移行した時と同じく、外見も重さも従来製品とほぼ同じだが、中身は大きく進化しており、アナリストらはこれを好意的に見ている。
ただし、その名称を巡っては好意的な意見は少なく、今ネット上でもちょっとした議論が広がっているようだ。というのも、新モデルの名称は「iPad 3」あるいは「iPad HD」などと噂されていたからだ。
どちらが後継モデル?
しかし、アップルがこの日明らかにしたのは単なる“新しいiPad”。アップルは当面、前モデルの「iPad 2」も100ドル値下げして同時販売するのだが、これによりiPad 2の方がiPadより性能が劣る、あるいはiPadがiPad 2よりも高価という状況になり、「こうしたブランディングは少々ぎこちなく、消費者を混乱させる」などと指摘されている。
残念ながらアップルはその理由について明らかにしていない。単に同社が名称を考える能力がなくなったと揶揄する声もある。