脱「草食系」を目指す人のための赤ワイン

男と女のワイン学(レッスン6)

2012.02.21(Tue)平野 美穂

 フランスならボルドー、イタリアならピエモンテ、スペインのリオハ、チリやアルゼンチンなどの南米産も肉食に合います。

 それらに増して肉食系と言えるのはアメリカ、特にカリフォルニアのナパです。それはなぜでしょうか。

富豪に見る肉食系気質

 ワインが文化となっている西欧諸国では、富豪が私財を投じて至高のワインづくりに情熱を捧げることも少なくありません。

 日本でもワインづくりに取りつかれた人たちがいます。最近では、日本の大手ゲーム会社社長のナパのワイナリーが話題になりました。他にも元F1レーサーや元金融会社役員、有名俳優も、ナパの高級ワイナリーのオーナーとして名を連ねます。肉食系の極みとも言える彼らを引きつけるのが、カリフォルニアのナパなのです。

 アメリカでは、規制の厳しいヨーロッパよりも自由闊達なワインづくりが可能です。また、安定した気候と病気が少ないことなども、ナパが好まれる理由です。

 富豪のワインづくりは大胆そのもの。大金をかけてクローン株の接木、樽香付け、有名な醸造家や栽培士の招聘、土壌の入れ替えなどを行い、時には人工衛星から最適な土壌を探します。最高のワインをつくるために手段を選びません。その姿はまさに肉食系です。

 アメリカでは西部開拓以来、ワインづくりが盛んに行われてきました。1920年の禁酒法の全面的施行で一時停滞しますが、フランスに追いつき追い越せと努力を重ねます。

 その結果、ワイン史上に残る出来事が1976年に起こります。パリ・ティスティング大会と呼ばれるワイン大会で、カリフォルニアワインの数々がブラインドティスティングで「フランスワインよりもおししい」と判定され、優勝をもさらったのです。

 以来、アメリカならではのマーケティング手法も功を奏し、カリフォルニアワインは世界に市場を広げ、地位を高めてきました。

 中堅クラスのワインでもカリフォルニアらしさを味わうことができます。特徴としては、アルコール度数が高く、パンチの効いたワインが多いことです。

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