フィンランドのノキアは14日、米マイクロソフトのモバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン(Windows Phone)」を搭載するスマートフォンを来年1月に米国で発売すると発表した。
同社が今年2月にマイクロソフトと結んだ提携に基づく最初の製品で、既に欧州やアジア諸国で販売が始まっているが、これを米国市場に初めて投入する。
ターゲットはスマホを持っていない1億5000万人
ノキアは携帯電話の出荷台数では世界トップを誇る企業。しかしスマートフォンでは米アップルの「アイフォーン(iPhone)」や米グーグルのOS「アンドロイド(Android)」端末の台頭でシェアを減らしており、とりわけ高機能端末が売れる米国市場では苦戦を強いられている。
そこでスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)兼社長が打ち出したのがマイクロソフトとの提携だ。
同じくシェアが伸び悩むマイクロソフトと思惑が一致したこと、エロップCEOがマイクロソフト出身ということもあり、両社は協力体制を敷くことにした。
その第1弾となるのが「ルミア(Lumia)」と呼ぶ製品シリーズ。
ノキアは今年10月に「ルミア800」と「同710」の2モデルを発表しており、前者の上位モデルは既にドイツ市場に投入し、英国、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、台湾などでも順次出荷を始めている。後者の廉価モデルは9日に台湾で販売開始し、まもなくシンガポール、香港、インド、ロシアでも発売する。
今回ノキアが米国市場で発売するのは後者の廉価モデルとなる。通信サービスを提供するのは、加入者ベースで米国第4位のTモバイルUSA。