前回に引き続き、「薬の副作用」を中心に薬とのつき合い方について考えてみよう。インタビューしたのは、秋葉原駅クリニックの大和田潔院長。『副作用 その薬が危ない』(祥伝社新書)の著者でもある。

解熱剤は、様子を見て使うべし

――解熱剤は日常的に使う機会が多いですが、37度を少し超えたぐらいでも使う人がいます。これはどうなんでしょうか?

大和田 そういう使い方はあまりお勧めできません。熱が出ると解熱剤で熱を下げた方が早く治るように思うかもしれませんが、違います。

 体温が上昇すると免疫細胞の活性が高まるので、細菌やウイルスと戦うために、人間の体が自ら高めているのです。免疫力を高めることが第一ですから、むやみに解熱剤を用いることはお勧めできません。

――どういう場合に解熱剤を使った方がいいのでしょうか?

大和田 高熱でぐったりして食欲もなくなっている場合は、悪循環を絶つために解熱剤で熱を下げた方がよいことがあります。

――何度くらいが目安でしょうか? 

大和田 体温よりも、患者さんの状態や病気の種類によって判断します。例えば、同じ体温40度でも、フラフラになることもあれば比較的しっかりしていることもあります。後者の場合は、安静にして水分をしっかり摂っていれば治ることが多いです。

――解熱剤の副作用としてはどのようなものがありますか?

大和田 解熱鎮痛剤として最もたくさん使われているのはアスピリンですが、アスピリン喘息と呼ばれるように、喘息を誘発することが以前から知られていました。

 ところが、それ以外の解熱鎮痛剤、例えば、インドメタシン、イブプロフェン、アントラニルなどでも喘息が誘発されることが分かってきました。

 原因についての詳細は省きますが、解熱鎮痛剤は、プロスタグランジンという痛みの原因物質を減らしますが、その反面、ロイコトリエンという体内物質が増加し、これが喘息を誘発します。