「ご近所の底力」というNHKの情報番組をご存じだろうか。全国から地域に関する悩みを番組に送ってもらい、その解決方法を考えようという番組である。
2月5日に放映された番組(奇しくも最終回)に、筆者は「専門家ゲスト」として登場した。この回のお題は、山梨県大月市から寄せられた「我が街を元気にしたい!」である。このお題に対して、地域活性化コンサルタントとしてコメントし、アドバイスを送ったのだ。
大月市は東京から車で1時間あまりの山間部の町である。人口は2万人弱。中央自動車道のインターがあることでも有名だが、全国の地方都市と同じく人口減少、産業の衰退に悩まされている。
こうした中、この街を元気にしようと住民が2つの取り組みを始めた。1つはご当地B級グルメ「おつけだんご」による町おこし。しかし、なかなか人気が上がらない。
そこで、静岡県富士宮市のB級グルメ「富士宮やきそば」を成功させた「やきそば学会」の渡辺英彦会長が番組に登場し、成功のコツを披露。そのアドバイスをもとに、もう一度活性化に取り組もうということになった。
山積みの野菜と一緒に巨大な石や農機具も販売
もう1つの取り組みは、東京という大都市に近い利点を生かして始めた農産物の直売所。しかし、客足は増えない。売れ行きが悪いため、徐々に品数も少なくなるという悪循環に陥っている。
では、どうすればお金をかけずに、お客さんの集まる直売所を作ることができるのか。そこで解決策のヒントとして登場したのが、長野県伊那市にある農産品直売所「産直市場グリーンファーム」である。
この直売所は平屋で、床は土が丸出し。まるで倉庫のような建物の中に、驚くほどの商品が並んでいる。まるで東南アジアの市場のような所に、山積みになった野菜や、道端に生えているような野草、山菜などが所狭しと並んでいる。