北海道・新千歳空港のターミナルビルで3月6~7日の2日間、「農商工連携逸品会~農商工連携の“宝さがし”~in 北海道」というイベントを開催した(ブランド総合研究所と北海道・食の発掘実行委員会が主催)。

 このイベントは農林水産省と経済産業省が進めている農商工連携に関する事業の一環として行ったもの。北海道内の食品加工メーカーなど35店が商品を出展した。

新千歳空港のセンタープラザで開催されたイベントの様子
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 会場となったセンタープラザでは、35店がブースを構え、商品の試飲・試食などを行いながら、来場者に直接商品の説明を行った。また、会場内に設けた「商品紹介ステージ」では、出展各社が3分間で自社商品のPR・紹介を来場者に行う場を設けた。

 来場者数は2日間で約3万8000人に達した。ちなみに、この2日間の航空機の予約者(搭乗者)数は約4万3000人だったとのこと。見送りや出迎えの人が搭乗者数の20%ぐらいの数はいたと仮定すると、新千歳空港を訪れた5万1600人のうち、7割以上がイベントを訪れたことになる。

 なぜ、このイベントはこれほど多くの人を集められたのだろうか。

単なる「試食」では集まらない

 これまでにも、農商工連携を活用して開発された新製品の展示会や商談会は、数多く実施されてきた。しかし、多くの場合は、試食や試飲を行ってもなかなか人が集まらないし、出展者の説明に耳を傾ける方もそれほど多くはなかった。その理由は、多くの出展者が「作り上手の売り下手(伝え下手)」であるからだ。

 出展者が「売りたい」という気持ちをあまりにも前面に出すと、消費者は尻込みしてしまうものだ。そこで今回のイベントでは、展示コーナーと販売コーナーを切り分けるという工夫を行った。

 展示コーナーでは展示と試食・試飲、そして説明に特化し、展示コーナーを囲うように配置しているテナントショップで販売を行うというスタイルである。

 その結果、消費者は安心して試食をし、説明に耳を傾けることができた。しかも、事業者の方もレジ打ちなどに時間を取られることなく、お客さんの反応を確かめながらじっくりと説明することができたというわけだ。