アンドロイドは無料ではない?
今回、出荷台数で世界第2位の携帯電話メーカーであるサムスンと契約できたことは、マイクロソフトにとって大きな勝利と言えそうだ。
同社は「アンドロイドは決して無料で使えるOSではない」ということを世界のメーカーに示すことができ、これが今後の同社製モバイルOS「ウィンドウズフォン」の展開に有利に働くと考えている。
一方でこれをサムスンの立場で考えると、別の見方ができる。同社は世界各地でアップルと特許訴訟を繰り広げており、今はさらにもう1社と訴訟合戦を展開する余力はないと言われている。
また、同社はこの秋から、マイクロソフトの最新OS「ウィンドウズフォン7.5)」(開発コード名:マンゴー「Mango」)を搭載する新型スマートフォン「オムニア(Omnia)W」を世界展開する予定。
このほかサムスンは「バダ(Bada)」と呼ぶ自社開発のOSを手がけている。27日には、米インテルとの協力で「ティゼン(Tizen)」と呼ぶオープンソースのOSを開発する計画も明らかになった。サムスンはこうしてリスク分散を図るとともに市場シェアの拡大も狙っているというわけだ。
欧米のメディアを見ていると、今後窮地に追い込まれるのはグーグルだという見方が広がっている。同社がモトローラ・モビリティを買収したり、米IBMから特許を購入したりする目的は、アンドロイド端末メーカーをアップルやマイクロソフトの特許攻撃から守り、アンドロイドをどんどん採用してもらうこと。
しかし今回のマイクロソフトとサムスンの提携で、その効果が疑問視されるようになってきたなどと伝えられている。
