ドイツのベルリンで開催されている世界最大規模の家電見本市「IFA」で、韓国サムスン電子が発表した最新型タブレット端末が突如として会場から姿を消したと報じられている。
サムスンは9月1日に最新型の7.7型タブレット「ギャラクシータブ(Galaxy Tab)7.7」を発表し、この会場で展示していた。
米アップルが「アイパッド(iPad)」のデザインをサムスンに模倣されたなどとして、ドイツ国内での販売差し止めなどを求めていたが、2日、デュッセルドルフの裁判所がアップル側の仮処分申請を認める判断をしたため、サムスンは展示を取りやめることにした。
ただしサムスン側は「現時点ではあくまでも仮処分の段階、裁判所の最終判決に期待したい」としている。
世界9カ国、合計19の訴訟に発展
アップルとサムスンは、タブレット端末やスマートフォンの特許を巡って世界各国で訴訟合戦を繰り広げている。
今年4月にアップルが米カリフォルニア州でサムスンを提訴したことに始まり、サムスンも同じくカリフォルニア州や、ドイツ、韓国、日本などでアップルを提訴するなど、現在は世界9カ国で合計19の訴訟が提起されている。
ギャラクシータブについては、8月に発売した「ギャラクシータブ10.1」の仮処分命令が同じくドイツで出ていた。またオーストラリアでは同モデルの発売を、裁判所の判断が出る9月下旬以降に延期することをサムスンは決めている。
今回会場から姿を消したギャラクシータブ7.7は、ディスプレイに有機EL(エレクトロルミネッセンス)を搭載したモデルで、サムスンにとっては展示の目玉だった。有機ELは、アイパッドやギャラクシーの前モデルに搭載される液晶ディスプレイとは異なり、自発光型のためバックライトが不要。これにより薄型軽量、低消費電力を実現している。