今年8月の16日から21日まで、モスクワ近郊のジューコフスキー飛行場では恒例の「モスクワ航空宇宙展示会(MAKS)」が開催された。ロシア製航空機や武器の売り込みのために1993年以来、隔年で行われているもので、スポンサーにはロシア政府や国営武器企業、モスクワ市などが名前を連ねる。

本格化し始めた空軍の装備改編

 今年は会期後半で雨に見舞われたものの多くの観光客が詰めかけ、主催者発表によると44万人が訪れたという。筆者も夏休みを兼ねて3日間、MAKSを訪問してきた。

 MAKS訪問の目的はいろいろとあったが、これまでお伝えしてきたロシアの装備調達計画を巡る問題との関連で興味深かったのが航空機の長期調達計画であった。

 前回(2009年)のMAKSで、空軍は、以下の合計64機をスホーイ社に対して発注していた。

●Su-35S戦闘機×48機(2011-2015)
●Su-27SM3戦闘機×12機(2011-2012)
●Su-30M2戦闘爆撃機×4機(2010-2011)

 この多年度調達契約は、その前年にSu-34戦闘爆撃機32機分を一括発注したことと合わせて、空軍の装備改編が本格化し始めた兆しとして大きく注目された。

2020年が目標の新たな装備計画

ロシアの戦略爆撃機「TU-95」

 実際、ここで発注された機体のうちいくつかはすでに空軍に納入されたり、実戦配備に向けた試験を開始している。今回のMAKSに出展された機体もある(写真参照)。

 その後、2020年を目標とする新たな装備計画(GPV-2020)が始まったことを考えれば、今年のMAKSでも何らかの多年度契約が発表されるとの予測が持ち上がってくるのは自然な流れだった。

 実際、開催前の報道によれば、今回のMAKSでは次のような契約が結ばれるとされていた。

●Yak-130高等練習機×60機
●MiG-29K艦上戦闘機×24機
●MiG-31BM迎撃戦闘機(近代化改修)×30機以上