現代ブランドでは、これまでの主力車種だった「ソナタ」に加え、「エラントラ(韓国内ではアバンテ)」の販売が好調だ。また起亜ブランドでは、小型SUV(スポーツ用多目的車)の「ソレント」が販売を伸ばしている。
欧州、インド、中国、ロシアなどでも販売の急増ぶりは目を見張るほどだが、現代自動車グループ関係者としては特に米市場での躍進に自信を深めている。
「レターマンショー事件」。現代自動車グループ内には、今でもある屈辱が鮮明に刻まれている。
「レターマンショー事件」からわずか10年で雪辱
1998年10月末、デビッド・レターマン氏が進行役を務める米CBSテレビの人気トーク番組「レイトショー」でのことだ。毒舌コメディトークで知られるレターマン氏が「宇宙での悪ふざけ」について話し、爆笑を誘った。
そのうちの1つに「宇宙船の計器盤にHYUNDAIのロゴをつけろ」という話があった。当時の現代車は品質面での悪名が高く、「こんなロゴを見たら飛行士は地球に帰還できないと震え上がる」との意味だった。
こんな屈辱のジョークから10年以上経ち、現代自動車グループが激戦の米市場で4位に浮上したのだ。
サムスンを抜いて利益面で韓国最大の財閥になったことに対して、現代自動車グループは静かな反応だ。「資産規模などの面ではまだまだサムスンとは比較にならない」との声も聞こえてくる。
しかし、グループ幹部の間では、「待ちに待ったニュースで大きな話題になっている」という。特に、グループ総帥である鄭夢九(チョン・モング)会長(73)は、かねて「いつになったらサムスングループを抜けるのだ」と親しい幹部に漏らしていたと言われ、喜びは格別だという。