22日に内閣府・財務省から発表された4-6月期の法人企業景気予測調査で、2009年度設備投資計画は前年度比▲19.5%という、非常に大きなマイナスの数字になった。日銀短観で大企業の2009年度設備投資計画が記録的な落ち込みになる可能性が高まった(弊社予想:前年度比▲13.0%)。しかも、リスクは左記予想からさらに下振れる方向にある。

 図表で示しているように、4-6月期の法人企業景気予測調査と、日銀短観6月調査との間には、2005年度以降、前者の当該年度設備投資計画の数字が後者よりも3%ポイント前後、低めに出てくるという関係が成り立っている。これは、2つの調査のカバレッジの違いに起因している。

 法人企業景気予測調査は、資本金1000万円以上の法人企業(電気・ガス・水道業および金融・保険業は資本金1億円以上)が対象になっており、今回4-6月期調査では1万4964社が標本法人数で、回答法人数は1万1763社、回答率は78.6%であった。

 さらに、2009年度設備投資計画の前年度比については、2008・2009両年度について回答があった1万26社について集計が行われた。これに対し、日銀短観の大企業調査は、資本金10億円以上の民間企業(除く金融機関)が対象で、2009年3月調査では2400社あり、回答率は98.8%となっていた。法人企業景気予測調査の対象には、日銀短観では中堅企業(資本金1億円以上10億円未満)や中小企業(同2000万円以上1億円未満)に含まれる企業も多数含まれている。

 企業規模が小さいほど、設備投資計画の前年度比は小さい数字にとどまりやすい。したがって、上記のような2つの調査のギャップが形成されることになる。