予算削減担当長官の権限をイーロン・マスクに、反公害・反製薬会社のロバート・ケネディは保健福祉長官が有力に
大統領首席補佐官には女性のスージー・ワイルズ起用決まる
2024.11.10(日)
高濱 賛
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1月20日、トランプの「報復」が始まる
勝てば官軍、負ければ賊軍――。
戊辰戦争で敗れた土佐藩士、大江卓(政治家、実業家)が漢詩に託した政治の世界の摂理である。
民主党と共和党が繰り広げた「文化戦争」(Culture War)は接戦とされた予想とは裏腹にトランプ共和党の圧勝に終わった。
2025年1月20日を機に「官軍・共和党」はホワイトハウス、上下両院の中枢から「賊軍・民主党」を追い払う。
「刑事犯」のドナルド・トランプ大統領は、民主党による「魔女狩り」で科せられた刑事罰を大統領特権で無罪放免、返す刀で自分を訴追した検察官・判事を追放、「政敵」に対する「報復」に出るものとみられる。
2人の「寝返り組」を旗本大名とし厚遇
そうした中で、米大統領選における“関ヶ原の戦い”で「西軍」から「東軍」に寝返った大物を優遇しつつ、これら大物の持っている知名度、潜在力を最大限利用する構えだ。
米大統領選の後半にトランプ支持を打ち出し、流れを大きく変えた2人の著名人を「旗本大名」扱いする。
一人は、元民主党員の億万長者、イーロン・マスク氏。
SNSの「X」(旧ツイッター)、EV(電気自動車)の テスラ、宇宙産業のスペースX、スターリンクを傘下に収める「現代のヒーロー」だ。
もう一人は、名門ケネディ家の「ブラック・シープ」(変わり種)ロバート・ケネディ・ジュニア氏だ。
両氏とも、トランプ支持を打ち出した際には、ともに主流メディアはもとより、親類縁者、友人たちから「裏切り者」呼ばわりされた。
トランプ氏は、マスク氏を「創造力ある天才」と呼び、ケネディ氏を「医療革命の助っ人」と命名している。
マスク氏は大統領選後半から巨額の選挙資金を提供する傍ら、所有するXをトランプ陣営の広報宣伝機関として仕立て上げた。
トランプ勝利の最大の功労者と言ってもおかしくない。