「高負担・平等」から「働く者が報われる社会」へ、政府のパラダイムシフト
スウェーデンが誇った北欧モデルは、今まさに岐路に立たされている。親世代が無条件に享受してきた「手厚いセーフティーネット」は、Z世代には、若者の活力を吸い取る巨大な装置になろうとしている。
急激な高齢化と経済変動に適応できる構造改革を断行していかなければ、国家の体制そのものが自重で崩壊しかねないだろう。北欧モデルが再び機能を取り戻すためには、若者たちが不公平と感じている現在の不均衡を是正し、全ての世代をカバーする新しい社会システムの形を作っていくことが必要だ。
では、Z世代が抱くこうした不満や不安に対し、政府がどのような「解決策」を提示したのか。
スウェーデン政府が発表した2026年度予算案は、この「北欧モデルの揺らぎ」に対する現政権の回答だ。予算案では、これまでの「高負担・平等」を離れ、「働く者が報われる社会」へのパラダイムシフトを打ち出そうとしている。
その内容は、大きく3つの分野にわたる。
1. 働く世代の「手取り」を増やす減税
具体的には、勤労所得減税・食品消費税の引き下げ・ 雇用主が負担する、若者の社会保障費の減免、など。
2. 「福祉依存」から脱却し、「就労原則」を徹底
社会保障制度を「働かないほうが得」にならない仕組みへと作り変える。具体的には、給付額に上限を設け、働くことによる収入が給付を確実に上回るように調整する、など。
3. 住宅とインフラへの投資
子どものいる低所得世帯の住宅手当を増額する・交通インフラ整備に大規模投資し、経済活性化と移動の円滑化を図る、など。