次のWBCで日本と当たる――。その事実が、闘志ではなく絶望感を先に連れてくる。勝負の前に、まず“気持ちの温度差”で置き去りにされている。

 韓国代表が直面しているのは日本投手の球威以上に、10年かけて体内に染み込んだ「諦めの言語」そのものなのである。

「2位突破プラン」も負傷者続出で雲行き怪しく…

 韓国が掲げる「2位突破プラン」は、短期決戦として見れば一つの合理だ。ただ、その合理は“投手の計算”が立っていることが前提になる。

 ところが今大会の韓国は、その土台がぐらついている。剛腕の文棟柱(ムン・ドンジュ=ハンファ・イーグルス)が肩の問題で代表メンバー発表直前に選出から外れた流れに続き、先発の柱と目された元兌仁(ウォン・テイン=サムスン・ライオンズ)まで故障で離脱し、代替として劉泳澯(ユ・ヨンチャン=LGツインズ)が追加招集された。

 投手陣の“芯”が、大会開幕前から連続で抜け落ちる。このように“負傷ドミノ”が止まらない状況下では日本戦で無理をせず、他国戦にリソースを配分するという設計自体が揺らぐ。

 もちろん韓国も、手をこまねいているわけではない。指揮官の柳志炫(ユ・ジヒョン)監督は、主将にメジャーリーガーの李政厚(イ・ジョンフ=サンフランシスコ・ジャイアンツ)を据え「迷うな、恐れるな。韓国代表の中心は彼だ」というメッセージを明確にした。

 遊撃には金周元(キム・ジュオン=NCダイノス)を軸に、非常時のオプションとして韓国系米国人を母親に持つシェイ・ウィットコム(ヒューストン・アストロズ)まで視野に入れる。さらにウィットコム同様に「血統条項」で加わるデーン・ダニング(31=アトランタ・ブレーブス傘下マイナー)を先発・救援で両にらみとし、ライリー・オブライエン(30=セントルイス・カージナルス)を終盤の勝負どころで投入する――。

 机上のプランだけを見れば、細部まで詰めているようにも見える。だが、その“作り込み”が緻密になればなるほど、ひとつ歯車が欠けたときの崩れ方もまた大きくなる感は日本戦に対する試合前からの気後れムードが漂っている以上、どうしても否めない。

 やはりここで浮かび上がるのが、日本との差が「歴然」としている領域だ。日本の強さは、スターの数だけではない。層の厚さ、役割の分担、そして「最初から全力で叩きに行く」ことを可能にする投手力の余裕である。

 東京ドームのWBC一次ラウンドC組・日韓戦で韓国側が神経質になるのは、相手の先発の名前が一枚ではなく複数にわたって想定されているからだ。この韓国戦で侍ジャパンは菊池雄星(ロサンゼルス・エンゼルス)を先発マウンドに立たせる可能性が高いと見られている。

 しかしながら一方で前日6日の台湾戦先発が有力視されている山本が一転し、日韓戦で“奇襲先発”に回るとの予想も韓国メディアから出ており、韓国代表は今も情報収集に追われているという。

 韓国側が「先発予想」で混乱すればするほど、日本は「最適解」で押し切れる。勝負の入り口から、設計思想が明らかに違う。