やがて大会が近づけば、MLBのスプリングトレーニングで調整しているメジャー組も合流し、陣容はさらに厚みを増す。中でも侍ジャパンのメンバーに名を連ねる大谷翔平と山本由伸を擁するロサンゼルス・ドジャース勢の動きは、対戦国にとって単なる情報以上に“圧”として届くだろう。

 そして、この強化合宿のボルテージがまずひと段落を迎える場こそ、3月7日に東京ドームで行われる1次ラウンドC組・日本―韓国戦である。問題はここからだ。

戦力の差があり過ぎ?日本戦は全力で行っても割に合わない

 日本が“臨戦態勢”を整えるほど、隣国・韓国の内部では逆に戦う前から白旗ムードに拍車がかかり、どんどん体温が下がっていく――。そんな逆流現象が起きているという。

 なぜなら、韓国代表の面々には侍ジャパンを前に「勝てない時間」が、すでに10年分も積み上がっているからである。

 韓国代表を包む重さは、単純な戦力差というよりも「勝てない時間」が作り出した“言語の変質”にある。

 最後に日本を叩いた成功体験が、あまりにも古いことは否めない。フル代表同士の対戦でいえば、韓国が日本に勝った最後の試合は2015年11月19日のプレミア12準決勝(東京ドーム)。9回に4点を奪って4―3でひっくり返した、いわゆる「東京ドームの大逆転」だ。

 あの試合以降、韓国側は長く白星から遠ざかり、直近までの対戦成績は「1分け10敗」。勝てない事実が積み重なると、やがて人は勝ち方ではなく「負け方の設計」を語り始める。

 象徴的なのは、1次ラウンドC組での日本戦をめぐる韓国メディアの空気だ。こちら側に届いてくるのは、強気な「打倒」よりも、現実的な「配分」の話である。

「日本戦は最初から全開で行っても割に合わない」「むしろ他国戦で取りこぼさないことが最大目標になる」――。そうした囁きが、いつの間にか“合理”の衣を着て、当然の前提のように共有されていく。