今の日本における最大の既得権
──立憲に関していうと、労組が支持しているから改革的なことができないのではないかという批判もあります。
山口:そういう面はなくはないでしょうね。民主党時代に日本版の炭素税が話題になりました。CO2削減のために化石燃料の使用にもっと負担を求めるという案でしたが、結局取り組めませんでした。大きな労働組合は裏で経団連のような動きをしますから。
一方で、自民党にしがらみがないかといえば、自民党には経団連がついています。経団連は表から自民党に要求し、労働組合は裏から立憲に要求する。どちらもあるということです。
既得権を打破する改革は必要ですが、その場合の既得権が何なのかを明確にしなければなりません。
今の日本における最大の既得権は、原発などに代表される巨大産業への支援政策です。税金が特定の業界のために使われている。国民の見えないところで特定の業界に政策的な優遇が与えられている。そういう問題を全部掘り起こして、何が本当に公共の利益になっているのか議論する必要があります。
また、この30年間雇用の規制緩和をどんどん進めて労働コストを下げて企業の収益は増えました。そして、安倍政権以来の円安で輸出企業は儲けました。その儲けが賃上げに反映されず、前向きな設備投資もない。こちらも大いに問題だと思います。
──国民民主党をどう見ていますか?
山口:古川元久さんなど、旧民主党時代に立派に活躍された方が何人か国民民主党にいます。ただ、今の国民民主党は悪い意味で新しいビジネスモデルを作って成功し、それにのめり込んでいる印象があります。
自民党に対抗して政権交代を狙えるちゃんとした大きな政党を作り、自分たちの理念や政策を実現させるという王道を捨て、衆議院で30-40ほどの議席を持ち、自民党が過半数割れになる状況を利用して、足りない分を埋めてあげるから……という取引で自分たちの主張を政権にのみ込ませる。それを大手柄のように誇っているように見えます。
ある意味では成功したビジネスモデルかもしれませんが、自民党政権を前提にしていて、これでは競争的政党政治を破壊しています。