戦後日本を大きく転換するという野望
山口:さまざまな見方があるでしょうが、降ってわいた総選挙を前に「創価学会に応援してもらいたい」という気持ちはあるでしょうね。
私は中道改革連合も過渡期の政党だと思います。野田共同代表も先日の討論会で再編について触れていましたが、選挙の結果次第では自民党の中の比較的まともな人たちも引っ張り出して、穏健なまとまりを作る再編成を目指すべきです。
そもそも今回の選挙は何のために行うのか。解散表明会見で、高市総理は「高市早苗が内閣総理大臣でよいのか国民の皆様に決めていただく」と言いましたが、これはおかしい。この言い方では何をするために支持してほしいのか分かりません。
今回の選挙で国民から信任を得たら「国論を二分するような大胆な政策改革がしたい」ともおっしゃいましたが、その中身は明確にされていません。これでは国民は判断できません。
もちろん、これまで高市政権が言ってきたこと、やってきたことの中に予告はあります。
たとえば、台湾有事を日本の存立危機事態と考えるかどうか。だとしたら、日本が直接攻められていなくとも、戦争に参加する可能性がある、と言っているのか。
オフレコだと断ってはいたそうですが、「日本は核兵器を保有すべきだ」とある総理補佐官が個人的な意見を報道陣の前で語り注目を集めました。高市総理はこの点に関して、どんな考えを持っているのか。
戦後日本が曲がりなりにも維持してきた国是を、国論を二分してでも大きく転換する。おそらくこれが高市政権の野望ですが、ならばなおさらきちんと内容を説明したうえで国民に審判を仰ぐべきです。
──台湾に関しては、高市総理は前のめりな発言と態度を崩しませんが、アメリカが応援しているかというと、「おいおい慌てるな」というなだめ気味な反応ですね。
山口:戦後日本のモデルを転換するのだと1人でいきり立っているように見えますね。1人でドラマのシナリオを書いて、それを演じている。アメリカだって日本が中国を不必要に挑発したら不安に思うのは当然です。
──立憲民主党にしても、アメリカの民主党にしても、いまひとつ経済政策が見えないという印象を受けます。なぜリベラルは新しい経済政策を打ち出せないのでしょうか?
山口:さまざまな政治家が20年以上前から成長戦略という言葉を使ってきましたが、自民党も含め誰も上手にはできていません。ただ、自民党の場合は、経済界とより距離が近いので、経済界の言うことをよく聞いている。上手くやっているように見えるだけです。