北東アジアの危機はここから始まる
北東アジアでは、次の3つの動きが同時進行している。
1. 米国の後退
本土防衛を最優先とするNDSにより、地域への関与は相対的に縮小する。その結果、米国の抑止力が「空白」を生みやすくなる。
2. 中国・北朝鮮の前進
中国は台湾・東シナ海での影響力拡大を加速し、北朝鮮は中国とロシアの後ろ盾を得て挑発行動を強める。
2国の行動は相互補強的に働き、地域の緊張を押し上げる。
3. 日本・韓国・台湾の自立化
米国の後退を前提に、3者は防衛力強化や同盟再定義を迫られる。しかし、国内政治の制約や相互不信が、自立化の歩みを複雑にする。
これら3つの動きが重なることで、北東アジアは多正面で不安定化し、
各国が誤算に陥るリスクが急速に高まる。
まさに、「北東アジアの危機はここから始まる」という状況に入ったと言える。
日本の選択:依存、自立、それとも第3の道か
米国中心の時代が終わりつつある今、日本はこれまでの安全保障の前提を根本から問い直す局面に立っている。
日本が取り得る選択肢は、大きく3つに整理できる。
1. 米国依存の深化
米国の抑止力に引き続き依拠し、同盟の結束を最優先する道。しかし、米国の戦略転換が進むほど、この選択は「依存のリスク」を伴う。
2. 自立化・多角化
防衛力強化、経済安全保障、外交の多角化を通じて、日本自身が地域安定の主体となる道。
ただし、財政負担と国内政治の合意形成という重い課題が立ちはだかる。
3. ハイブリッド戦略
日米同盟を基軸としつつ、自立化・多角化を段階的に進める「第3の道」。現実的で柔軟性が高い一方、戦略の一貫性を保つ難しさがある。
いずれの道を選ぶにせよ、日本の決断が北東アジアの安定を左右する時代に入ったことは間違いない。
求められているのは、従来の延長線ではなく、新たな戦略的思考と国家としての覚悟である。